昔はどこの家でも
真っ赤な急須がありました。
私も祖父母に育てられ
朝から晩まで飲み物といえば、
自家製の苦い煎茶でした。
あの 真っ赤な急須 は
どこの焼き物か
皆さんは知っていますか?
愛知県の常滑焼が
「急須のふるさと」なんです。
務める愛知陶磁美術館で開催された、
「やきものの技法から常滑を知る」
鯉江 廣先生の急須制作の
公開講座を聴講いたしました。
常滑は知多半島で海に囲まれた
開放的な窯業地で、
私ももう5回以上訪れています。
古い窯場の街並みがカフェや
ギャラリーなどに美しく活用されています。
また映画「20世紀少年」のロケ地
としても有名です。
鯉江先生は、常滑市指定
無形文化財保持者であり
日本工芸会東海支部長も務められています。
急須のパーツは全部で五点
田んぼの下の田土に長石や
弁柄を混ぜ粘土を作っています。
急須作りには様々な道具と
茶漉し作りなど、繊細な技術が必要です。
厚さは大体2ミリ〜3ミリで
ロクロがひかれ、全体が
驚くほど軽いです。
胴の部分だけで
240グラムの粘土です。
鯉江先生のお父様が開発した
板作りの平たい茶漉しは、
深蒸し茶などの詰まりを
防ぐ為に発明したもので、
現在手作りしているのは
鯉江先生だけとの事です。
蓋は
・平や盛蓋
・落とし蓋
・印籠蓋
デザインにより使い分けるそうです。
愛知県全体のやきものを
理解する事ができました。
人間国宝 三代 山田常山先生
急須の展観だけでも楽しいです。
7月7日まで愛知陶磁美術館で
開催されていますのでオススメです。
ちなみに、
日本で一番陶磁器を所蔵しているのは
この愛知陶磁美術館だと実感します。
茶道や煎茶をしている方はもちろん
日本全体の陶磁器を深く知るには
とても参考になる美術館です。
見学は一日がかりでお願いします💧