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岡本太郎の茶の湯/沼尻真一


大徳寺で開かれた茶の研究会で、

一人の男性が


「茶はどんな恰好して飲んでもよいではないか、形にとらわれるのは無意味だ。」


その発言者こそ誰あろう

すでに名声を得ていた

岡本太郎氏だったという

昔話です。


なぜか?


歌舞伎の所作には

自由を追及せずに、


なぜ、茶の湯になると


「利休だって自由だったろ」

「だから茶碗なんて

自由に作ればいいんだよ」とか

「勝手に自由に茶をやればいいんだよ」

という声に変わるのでしょうか?



この

岡本太郎氏の発言に

明確に答えられる方こそ


一番大切な

茶の湯の本質を見極め、

さらに創造できる方だと

私は思います。


だから茶の湯を体験しただけ、

点前の稽古だけでは

茶の湯の本質が

分からないんだと思います。












そして黄瀬戸とだけ書いた/沼尻真一


ニューヨークに住んでる叔母が

茶道の仲間を連れて22に

京都経由で多治見に遊びに来るので、

先生の所に知らせに行ったら

珍しく留守でした。


帰ろうとしたら


でもなんかいつもと違うな〜?


なんだろな〜と思うと


看板が変わってました。


いい字だな〜

作風とぴったり、


思わず撮りました。


ここに置くかな〜


でも、紅葉したイーゼルに


かかったキャンバスみたいで


ありだな〜と。









 



光悦会にて・京都鷹峯 光悦寺/沼尻真一


今年も師匠のおかげで

第102回の光悦会・京都に

伺う事ができました。


*東京席

・呂宋茶壷 遠州蔵帳

耳が口覆の布で完全に隠されていました。

鉄釉が蹴上にかかっている点からも、

すでに釉薬がコントロールされています。



*大阪席

・栄仁井戸 名物 徳川家康伝来

高台周りの梅花皮が上品な井戸でした。

激しい梅花皮ばかりが、話題になり

茶人のステレオタイプを鵜呑みにし、

デフォルメして現代陶芸と主張しても

危ういのは、このような井戸もあるからです。


・南蛮縄簾 水指

大きさ、色が素晴らしい南蛮水指でした。

ほしいです。



*京都席

・布団釜 利休所持 与次郎作

蓋のイジイジした文様が初期作らしいです。

とにかく大きい。女性の炭手前はきついでしょう。


・土田丸壷茶入  大名物 雲州蔵帳

薄い軽い。

奥伝の稽古で良くこの名前を使ってました。

大名物に触れる事ができて感動です。


・石州井戸 別名:水落井戸

北野大茶の湯にて秀吉により命名された

と言われる井戸。

素焼き無し、生がけ、本焼きによる

しっとりとした肌あいです。軽い。



*金沢席

・道入黒 獅子 ノンコウ七種

軽い薄い、深さ大きさ全てが完璧な

楽茶碗でした。漆黒の宇宙です。


・堆黄龍文盆 萬暦年製在銘

世界に20点しか存在しない国宝級の盆。

ズシッと重く、しかし漆特有の柔らかさが

ありました。精緻な彫刻に圧倒されます。


金沢席は、卵食品で有名なイセ食品さんの

コレクションです。私もいつも多治見の

バローで森の卵を買い自炊してます。


大正時代に三井財閥の益田鈍翁さんが

日本の美術品の海外流出を防いだように、

実際に道具として、茶の湯に生かされてる

イセ食品さんに改めて感謝です。


いま、日本は景気が良いと一方的に

言われていますが、

経営者が日本人として

日本民族の文化に精通していなければ

工芸の真価を見出す事はできません。


単に金持ち企業だけではできません。

大変気概ある貴重な企業です。



茶室の大変重要な要素として

小間、広間があります。


実際に躙口を潜ると

そこに室礼が現れます。


君台観左右帳記の時代から踏襲される

系譜、流儀の系譜からどのような

抜けを作れるのか。

小間、広間に相応しい室礼。


例えば、ノンコウ七種 黒楽が

今回は薄茶席で用いられています。

本来なら最高に格の高い濃茶席で

用いられる茶碗です。


しかし、薄茶席が相応しい。


伊羅保なら薄、釘伊羅保なら濃のような感覚。

だから薄茶席作りは難しいと

偶然同席した先生が教えてくれました。


稽古の習いの、その先にある

じゃ自分ならどうするかという意識。


それが美術館展示で見るのと、

このように茶席で取り合わせで

見ることの違いです。


薄濃、小間広間、茶事も分からずに

茶碗だけを考えて作っていた頃の自分が

いかようにも考えさせられます。


茶なんか知らなくても、

回る土に指を突っ込みゃ

誰にでも茶碗はできます。


しかし、こんな恵まれた時代に

作家が桃山時代の陶工と同じ立ち位置で

作り自称、茶碗というのは?です。


日本の伝統工芸・陶芸の教育機関では

茶の湯文化は必ず学問として通る場所です。

私も多治見工業で学びました。


利休形やその他茶の湯から派生した形が

今の日本の家、庭、道具、工芸の

ありとあらゆる

美意識の基になっているからです。


しかし表層的な形や現象をサラッと

掬って伝えるだけでなく、

実践で感じないとやはり難しいと感じます。



超一流の道具組、

素晴らしい光悦寺の庭づくり、

その場で作られる菓子匠、

瓢亭さんの点心、


102年という日本最高峰の茶会の

伝統を守り続けている、美術商、

光悦会の方々に感謝いたします。


このような国宝級の作品に

触れる為にも稽古は大切です。

沼尻真一


 ・沼尻真一の茶道や茶の湯に関する記事

https://profile.ameba.jp/ameba/chazenichimi







































石井歯科医院100周年記念式典・ウララ歯科クリニック

 

故郷の茨城県陶芸美術館にて、

今年正月の茶会にも駆けつけてくれた

石井 敏裕先輩が経営する、

 

石井歯科医院 開院100周年記念式典に

出席させて頂きました。

 

 

自民党・逢沢一郎さん、

希望の党・青山大和さん

茨城県や土浦の地元の政治家の方々、

茨城県医師会、歯科医師会の先生方が

一同に会した盛大な式典でした。

 

また塾長の小幡政人先生や、

恩師常総学院校長の玉井先生にも

久しぶりに会うことができました。

 

また地元の先輩方は、まったく変わりなく

益々パワーアップしていて

叱咤激励されました。

 

 

一番感動したのは

一緒にフジテレビに就活に行った

思い出のある、

石井先輩のお嬢さんからの

手紙の朗読でした。

 

人前では見せない先輩の

自宅での葛藤を知る事ができました。

 

やっぱり地元の先輩が

光っている姿は刺激になります!