profile
selected entry
categories
links
archives
others

南禅寺・瓢亭御主人 高橋英一さん/沼尻真一

 

南禅寺・瓢亭十四代目の御主人高橋英一さん

茶事懐石においての出汁の取り方から、

ご飯の炊き方、汁椀、向付、焼物など

一連の料理を教えて頂く機会を、

何度か頂く事ができました。

 

昆布は、鰹節はどこのどのような銘柄で、

どこに売っているかまで、本当に親切に

いつも丁寧に、細かに教えて頂きました。

 

それより何より、

自分が一番感動したのは

高橋さんの包丁を持った際の、

美しい所作です。

というか、雰囲気です。

 

また帰りがけ、

ちょうどこの頃は紅梅が

ほころびかけている頃で、

じっとその花を眺められていて、

いつも周りの事を良く見られて

いるんだなと感じました。

 

料理に限らず、

茶花も指導されている

高橋さんの美意識・美学に

触れる事で見えてくる

京都の美しい文化があると思います。

 

京料理・日本料理界を代表する方ですが、

お会いしてみて、更に何倍も凄い方でした。   

 

本も沢山出されています。

興味のある方はぜひ

高橋英一さんから一緒に学びましょう。

 

沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


常総学院甲子園出場おめでとう! / 沼尻真一

3年ぶり16回目  

 

甲子園出場

 

本当におめでとうございます!

 

今年は優勝できますね!

 

甲子園応援に行きます、

 

頑張って下さい!

 

我らが常総学院〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都の茶事ー風炉、五徳、灰形について /茶の湯、 茶道 沼尻真一

 

これを使ってみたいなと思う

候補の釜、風炉、五徳を据え

実際に釜をかけてみて、高さや大きさなどの

バランスを見てみます。

 

釜が良くても、風炉と合わない事や
また五徳が合わない場合が多々あります。

 

一見同じようにみえても、形も大きさも

高さも様々なのが茶道具で、

その画一的でない、ゆるさが

お茶の妙味かもしれません。

 

 

いくつかの五徳を変えながら

合わせてみて、高さや大きさなど

一番しっくりくるものを選びました。

 

道具合わせの時点で、高さやバランスが
合うかどうか確認してから
良く篩った風炉灰を敷き詰めて
風炉の準備をします。

 

 

と同時に
風炉中拝見がありますので、
灰形の稽古もしておかなければ、
いけませんし、いつでも
対応できるようにしたいと考えています。

 

灰形は職業茶人の方は
素早く美しいのは当然として
職業茶人でなくとも


美しい灰形を切られる方は、

老若男女みなさん
自分なりのコツを掴むまで

日々稽古されていました。

 

 

今は、灰形の本も数多くありますが、

自分が見させていただいた、灰形の切り方は

十人十色でした。

 

きっと数多く切っていくうちに

自分なりの秘儀が見つかるのだと思います。

 

沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


園子温監督TOKYO TRIBE・新宿スワン1,2/沼尻真一

怖い人じゃない園子温監督!

 

 

新宿スワン

 

TOKYO TRIBE

 

 

 

園子温監督の作品は

 

N.Y.C.でAndy Warholの

 

N.Y.C.にて

 

 

現ナマを

 

見た時の浅くて深い感触が

 

あった、いいな。

 

愛のむき出し  もオススメです!

 

 

そうそう

 

新宿スワン2が公開されました❗

見行かなくちゃ

 

 

 

沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都・祇園祭 八坂神社の茶会・祇園万亭/沼尻真一

 

毎年7月16日宵山には、京都八坂神社にて

表千家、裏千家の

御家元が交互に献茶式を奉仕されます。

 

今年は、表千家です。

 

 

数多くの茶席がありましたが、

万亭の席に入らせて頂きました。

 

 

沼尻真一

 

 

誰もが、花見小路で見かけた事がある

この紅殻壁ですが、「万亭」正式な屋号ですが、

皆さんよく一力と呼んでいます。

 

歌舞伎の赤穂四十七士をいろは仮名に例えた

「仮名手本忠臣蔵」にも登場する「一力」という

名前が有名になったことが由来のようです。

万という字を崩して、一力とも言われています。

 

 

 

 

待合

 

 

 

あやかれや 長刀鉾の 鬮とらず   

        如心斎の句、即中斎筆

 

 

つねに山鉾巡行の一番手を担っている

長刀鉾の重責にあやかりたいという

御家元の句ではないでしょうか。

 

 

祇園祭には、ヒオウギという植物が必ず飾られます。

扇状の葉を持つことからヒオウギ(檜扇)。

古代、ヒオウギで悪霊退散したことから厄除けの花として

飾られるようになりました。

 

 

 

本席

而妙斎御家元筆

祇園守槿、七宝唐舟

 

 

水指の摘みは長刀鉾ですが、

この長刀の刃を御所に向けるのは

失礼という事で、取り外しが

可能になっています!

        当代永楽造

 

 

お運びは祇園の舞妓さん、引きは旦那衆が

していただける華やかさ。

 

舞妓さんの裾さばきの美しさに驚きます。

袴でさえ危ういのに。

 

やはり厳しい稽古あっての舞妓さんです。

 

建築は鴨居の上に長押がまわる典型的な

書院造で、木の部分を全て漆を塗り漆黒に

している点が、紅殻壁と合うなと感じました。

 

 

長刀鉾 宵山 2016

 

今年の祇園祭りは快晴でした。

 

沼尻真一


 ・沼尻真一の茶道や茶の湯に関する記事

https://profile.ameba.jp/ameba/chazenichimi

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都の茶事ー 炭について /茶の湯、 茶道 沼尻真一

 

「炭は、湯のわくように、茶は服のよきように、

 是にて秘事はすみ候由」

               南方録第七章

 

 

草庵の茶の湯の極意を尋ねられた利休居士自身が

湯相、火相が一番難しいと力説しています。

 

稽古ではあたり前のように沸いている

釜の湯ですが、茶事では思うように

いきません。

 

やはり茶事は経験が大切と言われるのは

単に、手順や趣向、道具だけでなく、

 

炭と

 

湯相

 

火相

 

の感覚を掴んでいる事が

圧倒的な差として

大きいのだと私は思います。

 

この炭を使うという事は、いまでは

本当に貴重な事となりました

全国の稽古場でも炭を使っている方が、

少数派だと思います。

 

また先の東日本大震災以降、

東北で焼かれていた
茶道用の炭も入手が難しく

なくなったと聞いています。

 

 

茶事に使う炭は、

その貴重な炭の中から、

 

さらに形や大きさが良いもの
だけを選び洗います。

 

次にじっくり陰干しで乾燥させます。

 

特に風炉は火力を要する為に、

表面の乾き具合でなく

中まで乾燥を入念にする事が大切です。

 

最低でも1か月ぐらいは乾燥させて

おきたいと思います。

 

また手前用の炭だけを用意するのではなく、

欠けたり、割れたりするので、

手前予備の炭も1セット
同時に用意しています。

 

沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


白洲正子の京都、平野屋の鮎と茶の湯/沼尻真一

夏の茶の湯には、

 

鮎をテーマにしたものを

 

良く見かけます。

 

先日も恩師の書院の床には、

川合玉堂の鵜飼の画が
掛けられておりました。

 

 

 

 

鵜飼は天正天皇720年(養老4年)から行われて
おり、大変歴史の深いものです。

 

自分の窯のある岐阜県ですが、

西濃の長良川の鵜飼は日本一有名です。

 

しかし

 

あの鵜は

一般保護鳥に指定されていて、
捕獲を許可されているのが、

日本で唯一茨城県十王町の「鵜の岬」です!

 

そこで捕まえた海鵜を
岐阜や京都、愛媛、山口などなど鵜飼をしている
全国12箇所に送られるそうです。

 

我がふるさと茨城出身?の鵜が

全国で苦労しながら活躍しています。

 

青楓に囲まれた清流に泳ぐ鮎は、

何とも涼しそうで、
京都のムッとした暑さの中

 

一服の涼を誘います。

 

しかしこの鮎というものを
お茶をしている人でも意外に

知らないな〜と思い

記してみたいとます。

 

 

夏といったら鮎!

 


「あゆる」が「アユ」に

「あゆる」は「おつる」の古語で、

 

鮎が春になると川を上り
秋になると川を下ることから言われています。

 

 

もう一つ
中国では鮎に「年魚」という漢字が用いられています。
春に生まれ、そして冬に死ぬという所からです。

 

日本では、「日本書紀720年」「古事記712年」の
いずれにも鮎は「年魚」として登場しています。

 

鮎という漢字は?

 

魚に占う?

 

 

誰が何を占ったのか?

 

 

●日本書紀の中に!
九州に生まれた初代天皇 神武天皇が
東征をし近畿大和を平定し、王権確立をしたという。

 

紀伊熊野から、いよいよ大和の高倉山に至った際に
戦勝祈願の儀式で川魚の捕獲状況で占ったと

伝えられています。

 

 

●古事記の中でも!
神功皇后(じんぐうこうごう)が現在の佐賀県で、

鮎釣りをされ新羅進軍にあたり、
釣りの成果で占ったという。

 

因みにこの様子を表しているのが

京都祇園祭の占出山であり、

別名、鮎釣山と呼ばれています。

 

 

祇園祭限定、占出山で売られる菓子

「吉兆あゆ」

 


このように皇室と鮎は

関係の深い魚として
とりあげられ

 

「日本建国のシンボルのような魚!」

 

として存在しています。

 

また室町時代から明治まで、

京都では「御用鮎」といい

旬に獲れた鮎を朝廷に献上していたそうです。

 

つまり

 

同じ時期に鮎を食するという事が

庶民にとっての

 

「あやかり文化」

 

につながってきたのだと思います。


若鮎の菓子も

 

みな月の菓子も


鮎や氷を食べてみたいという、

 

庶民の願望が
菓子となったように、


「あやかりたいという願望から生まれた文化」は
多くの日本の文化に影響しています。
 
きっと皇室や朝廷でなくとも、

それぞれの地域のお殿様の歴史の中にも、

身近なあやかり文化は全国各地にあると思います。

 

そのようなモノや事、

 

土着性に触れられる点でも

茶の湯を嗜むというのは

面白いものです。

 

※ちなみに中国では鮎という字は

ナマズを指すらしいです。

 


 


●白洲正子と京都平野屋の鮎

 

京都に夏の訪れをつげる祇園祭。

 

この祭りを彩る京料理に欠かせないものに
鮎があります。

 

祇園祭前

値段が一番高いと言われれる鮎。

 

なかでも「世木の鮎」が

京都の鮎ブランドです。

 

しかし鮎は無傷で生きてなければ価値が無い!
と言われ、活鮎をめぐって

古来から様々な知恵と工夫が
生まれてきています。

 

 

京都の鮎といえば、


白州正子さんや多くの文人も
鮎の解禁を待ちわびたという

創業400年「京都平野屋」さんが有名です。

 

 

 

 

武者小路千家三代の画

一番左が八歳の頃の若宗匠 千宗屋さんの仏画

 

 

 

大川橋蔵さん、美空ひばりさん

 

 

もともと平野屋さんは
京都火伏の神として知られている愛宕神社の門前町、

嵯峨鳥居本にある鮎問屋として始まりました。

 

この世木の鮎は世木村、現在の日吉町で
6月1日から9月30日まで、夏のかせぎとして
漁が行われておりました。

 

投網で一網打尽が早そうですが、
傷がつきますから、ヒッカケ漁や友釣りなどが
主流のようです。

 

鮎を獲るアユトリさんから、

 

鮎を運ぶアユモチさんに

 

引き継いで、

平野屋女将 井上典子さん

 

中には炭を塗り込め暗くする工夫を

 

 

計50〜70匹を入れ計27kmを
7時間山道をアユモチ桶に鮎を入れて、
鮎が心地よい様に揺らしながら
鮎を運んだそうです。

 

平野屋鮎の生簀

 

貴重な鮎を運ぶのに

かなり熟練を要したようです。

 

途中2〜3Kmごとに新鮮な冷たい水を

鮎桶に補給しながら
慎重に慎重を期して運んだそうです。

 

そして一日置かれて、

 

鮎のストレスを取ってから

 

祇園祭で賑わう

 

祇園や先斗町の高級料理屋さんで

旬の鮎料理が振舞われたという事です。

 

平野屋鮎

 

茶店の菓子「志んこ」も有名。抹茶、白、ニッキ

 

 

茶の湯と同じように、京都に育まれた鮎文化。

 

茶席に登場する鮎を見かけたときには

ぜひこんな鮎の流れを思い出してみると

さらに楽しくなると思います。

 

 

沼尻真一

 

◆SHINICHI NUMAJIRI INDEX


 ・沼尻真一の茶道や茶の湯に関する記事

https://profile.ameba.jp/ameba/chazenichimi

 

・「ハレとケ」遠野物語:日本民族学の祖 柳田國男/ 沼尻真一

 

・21世紀のあたらしい暮らし方

 建築家山本理顕先生×難波和彦先生×社会学山本哲士先生/ 沼尻真一 

 

・京都 龍安寺にある

 水戸光圀公「吾唯足知」本物の蹲踞つくばい − 沼尻真一 

 

・陶芸家 細川護煕さん不東庵を訪ねる・第79代内閣総理大臣/沼尻真一

 

・ここが朔望の畔ー大阪「本湖月」/沼尻真一

 

・ロック魂のある干しいも・乾燥芋の聖地 茨城県/沼尻真一

 

・「日本的モダニズムの創出はいかに可能か 」

 伊藤 俊治 × 柏木 博× 新見隆先生 /沼尻真一

 

・legend of 311 − 「真理」 沼尻真一

 

・京都の茶事ー茶事の懐石・京都辻留/茶の湯・茶道 沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都の茶事ー茶室の広さは/茶の湯・茶道 沼尻真一

 

茶室には様々な形や大きさがあります。

 

今回はお客様が四人。

 

懐石がありますので、四畳半の茶室にしました。

 

三畳台目という茶室は、古い名席も
京都には数多く、映りも良いのですが

 

風炉の時期


初夏の京都は気温が30℃にも
なるような日もありますから、

なるべくゆったりと、そして涼しくお客様に
過ごして頂けるように、四畳半に致しました。

 

 

沼尻真一

 

・碧巌録 第四十則 南泉一株花

 「無なんてどこにもない」/沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都の茶事ー花を入れる/茶の湯・茶道 沼尻真一

 

「小間の茶席の花は、必ず一種類を

 一枝か二枝軽く入れるのがよし、

 しかし四畳半ともなれば、

 花により二種入れるのもよかろう」
             

             利休居士

 

 

椿、槿がまだ無い季節に、
訪れた茶席の床には様々な花が
楽しめるものです。

 

そんな時の花の入れ方こそ
様々な個性が見られるのも
茶花の楽しみの一つと思っています。


まだ槿の無い季節、

花はこれ!と決め打ちをせず、
勢いのある花を入れてみようと思いました。

 

沼尻真一

 

●現代の茶会開催/沼尻宗真・沼尻真一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都・夏越の祓えと和菓子水無月 /沼尻真一


 


風そよぐならの小川の夕暮は
    

みそぎぞ夏のしるしなりける

 

     従二位家隆 九八
 

 

 

藤原定家と並び称された藤原家隆73歳の和歌です。


 
ならの小川こそ、上賀茂神社境内を流れる御手洗川です。
 
「ならの小川」と聞いて、奈良の川と勘違いしそうですが
このならは、楢の葉をそよがせている様子を表して
います。
 
旧暦で行われた夏越の祓えは、すでに秋の気配が
感じられていたようです。

 


 

 
 
6月末日に行われる
 
半年に一度の厄落としの「夏越の祓え」
 
12月末日に行われる「年越しの祓え」
 
対の祓えですが、特に梅雨の時期に
古に疫病が流行した事もあり
特に「夏越の祓え」は広く
京都を中心に行われています。

 


 
厄落としには

 

 


 
・カヤで編まれた「茅の輪くぐり」をします。
 
「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命延ぶといふなり」と
 
唱えながら8の字を描くように三度くぐりぬけます。

 

 


 
・「人形を流して厄落とし」
 
人の形をした形代かたしろに、罪や穢れを移し、
身代わりとして神社に納め、水や火の神事で清め
厄を落とします。
 
 
ちなみに茅の輪くぐりは、
 
日本神話が基になっており
 
二人の兄弟の所に
一人の旅人が宿を求めた際、
 
・裕福な兄は冷たく断り
 
・貧しい弟の蘇民将来は温かくもてなしたそうです。
 
実はこの旅人はスサノオノミコトであり
数年後その恩返しにと、蘇民の家を訪れ
その教えに従って、茅の輪を腰に付けたところ
疫病から逃れられ、子々孫々まで繁栄したと
いうことです。
 
この故事に基づき、京都の家々の玄関には
「蘇民将来札」という厄除けの札を
良く見受けられます。

 


 
祇園祭の各山や鉾で配られる粽札が
よく知られています。
 
京都の家々の玄関に飾ってある、
あの粽はよく腐らないな〜なんて疑問を
持っている人もいますね。
 
そしてもう一つ忘れてならないのが、
 
和菓子「水無月」を食べる事です!

 


 

 

お茶をしている人は、お稽古などで水無月を
すでに食した人も多いと思います。
 
京都市内では和菓子組合の宣伝カーが出動し
 
「皆さん、京は夏越の祓え 水無月を食べる日です!」と
 
宣伝していました。
 
それこそ、あちこちにある和菓子屋さんの軒先には
様々な水無月が並びました。
 
この和菓子水無月なんですが、
 
三角形の葛やウイロウの上に、
小豆が散りばめられた和菓子です。
 
 
旧暦6月1日は「氷の朔日」とも「氷の節句」
というものが宮中では行われておりました。
 
冬にできた氷を山間部の氷室で保存し
真夏に氷を口にし
夏の健康を祈願したというものです。

 

御所の北を囲むように6箇所あったそうです。
 
1、仁和寺裏手の御室氷室
2、金閣寺西、衣笠氷室
3、西賀茂氷室神社、本氷室
4、北区氷室神社、西氷室
5、左京区花園橋、高野氷室
 
 
しかし氷は庶民にとっては高嶺の花。
 
そこで氷をかたどった、三角形の生地に
厄除けの小豆を散らした御菓子
水無月が作られたそうです。

 

これも皇室行事への、庶民のあやかり文化ですね。
 
鬼も赤、赤ちゃんも赤、還暦も赤、神社も赤
小豆も赤で、赤いものは古来より邪気を
祓う色とみなされていました。
 
京都の恩師に言わせると
 
今の水無月の菓子は、小豆がビッシリで
 
「アレはあかんから!」
 
節分のように
 
「ぱらっぱらっと撒いてなんぼ」だそうです。
 
確かにビッシリ小豆の方が、美味しそうですが。
 
頑なに「ぱらっぱらっ小豆」の水無月の
和菓子屋さんを見つけるのも

意味があります。

 

 

沼尻真一

 

◆SHINICHI NUMAJIRI INDEX


 ・沼尻真一の茶道や茶の湯に関する記事

https://profile.ameba.jp/ameba/chazenichimi

 

・利休忌と菜の花/沼尻真一

 

・炉開きと亥の子餅、口切の茶事の意味/沼尻真一

 

・京都・大覚寺 広沢の池 観月の夕べ /沼尻真一

 

・寂連と光悦の村雨 /沼尻真一

 

・多治見めしは、ひつまぶし/沼尻真一

 

・京都 五山の送り火/からけし けし炭 − 沼尻真一

 

・ライフスタイルショップのはかなさ 2012年/沼尻真一

 

・しら露と穏逸花/文屋朝康と千利休居士 − 沼尻真一

 

・茶の湯のカネ割りー「易経」「南方録」/沼尻真一

 

・100年後のつくばを世界遺産に登録する2014年 − 沼尻真一

 

・白洲正子の京都、平野屋鮎と茶の湯/沼尻真一