「茶の湯には善茶善酒
一ツさい飯やはらかにあい口の友」
利休狂歌
侘び茶にはよい茶と酒、一菜の料理とご飯、
気の知れた客があれば良いという。
茶懐石と構えても、特に料理屋さんに
お願いする必要はなく、一汁三菜
家庭の味、家庭料理の延長線上に
あるのが望ましいという様々な
恩師の方々の
教えに共感しています。
現代は地産地消と言われますが、
やはりその地域地元、家庭でしか
味わえない味というものが
表現できる事と、酒宴が目的ではない
という事から、豪勢な料理でなく
心を込めた手作りの家庭料理で
良いのだと私も思います。
しかし、相反するようですが、
今回は手作り懐石ではなく
私の祝いにと、恩師が三月に茶事を
して頂いたお返しも含めて
という意味合いもあり、
懐石は 恩師と同じように
京都 辻留 平さんに
お願い致しました。
拙作の美濃の鎬手の黄瀬戸鉢に、すずきの塩焼き花山椒
まだお茶を学んで間もない頃、恩師の茶事を手伝った際に、
平さんから丸前角向こうだよ、なんて言われながら
懐石運びの手伝いをしたのを、思い出しました。
沼尻真一