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ベトナム・ホイアンカフェの行く末に

東京から横浜へ移動して、篠原さんが代表をしている
ホイアンカフェで一緒に食事をした。
このお店は横浜駅のすぐ近くで、本場のベトナム料理が
食べられるお店で、店長さんはじめスタッフも
10年近く勤めているというアットホームな雰囲気のお店だった。
僕はパクチーが苦手だけど、気にせずに食べることができて
今まで思っていたエスニック料理のイメージが少し変わったし、
世界遺産に登録されたという、ベトナム・ホイアンの街に
行ってみたいとも思った。

それから2軒目の経営するフレンチレストラン
二期亭へ移動した。
店長さんから、最近のミシュランの星の話や、レストランはシェフも支配人も
一つの映画を作る黒澤組のように、阿吽の呼吸でレストランをつくっているという。
冷蔵庫の中身も、厨房も、味もすべて把握しているという。
客からは見えない、厨房とホールのせめぎ合いから生まれる演出があると感じた。

そして最後に一番驚いたのは、そこのシェフがつくば市の出身だった事だった。
さらに、僕の親戚だった事。
周りにいる誰もが驚き、時間が止まったようだった。

出会いが決して偶然でないことをあらためて知る一日となった。

グラフィックデザイナー 沼尻真一





大根 1本 300円


・大根 1本300円(現在100円)
・米  1俵40,000円 ※人を雇ってつくる場合
    1表20,000円 ※自分でつくる場合
    (現在13,000円)

米や野菜を作っている農家のおじさんやおばさんと
話しているうちに、では作り手としてどれくらいの
値段だったら妥当と思えるか?
聞いてみた結果がこれぐらいだった。

肥料や農業用資材ビニールなどは経済に合わせて
高騰している中で、米や野菜の値段は上がっていない。
僕もスーパーにいってみて、野菜の値段が安すぎると思っている。

戦争の後は米一升と土地を交換するほど貴重品だったんだよ。
それからたった64年で飽食だ、メタボリックだなんていって、
食べきれないほど食いものが余って、米を貴重だ
なんて思えないようになっちゃったんだよなー。と
おばさんは言った。



また米といえば雑穀米が流行っていると聞いたけど
結局は日本ではいつのまにか、ご飯は「白米」があたり前に
なっているのが問題だと思うし、
米のもみ殻を剥けば、あたりまえに胚芽のついた
玄米なので、シンプルにこれを食べれば何も雑穀など
買う必要もないと思っている。


デザイナー 沼尻真一

かまど炊きごはん2回目−つくばハーブ園


昨日は目黒からつくばエクスプレスで篠原さんが友人をつれて
農園に遊びに来たので、かまど炊きごはん2回目を開いた。

前回も篠原さんが火の番をしてくれたのでまた担当してもらう。
かまどでも薪の炭を抜いたりさしたりするだけで
はじめチョロチョロなかパッパの火加減調整が
とても上手にできるようになった。
また冬はヒノキの枯れ葉や枝があちこちに落ちているので
かまどにくべれば着火剤としては十分な威力なのでありがたい。

篠原さんと一緒に来た女の子は高校三年生で
お母さんと一緒に遊びにきてくれた。
話をしてみるとお母さんは恵泉女学園のガーデンセミナーに
一年間参加していたとの事で、神奈川、北海道、茨城、埼玉と
また恵泉つながりの方と偶然お会いした。
女の子は野菜が大好きという事なので、さっそく畑からカブや
春菊、レタス、大根を収穫してもらってその場で食べてもらった。

動物になったように「その場で食う。」

というのが原始的で僕としては気に入っていて
野菜の味を堪能してもらうことができたと思う。
今度は手を使わずに、動物のように口だけで食べるというのも
実践してみようと思っている。

つくばは穏やかに日が暮れて、みんなは
ミゾレ降る嵐のような東京へ帰って行った。

後片付けをしていたら、
小さな子供たちにそんな体験や食を大事にしているという
人が突然訪ねてきて、初めて出会うこととなった。
一分でも一秒でも早すぎず、遅すぎず
出会う縁の不思議さを感じた一日だった。



これからどんな方向に進むかわからないけど、
ハーブ園がたくさんの子供たちの遊び場になったり
一緒に火を燃やしてご飯を炊くのは楽しいだろうなと思った。

とここで終わるかと思いきや、夜テレビをつけると
小豆島のオリーブ農園、井上誠耕園の井上さんが出て
オリーブを紹介していた。

3連休だというのに、多くの出来事に
僕はすっかりエネルギーを使いすぎて
空の乾電池状態になり、風邪をひいて寝込んでしまった。
やっぱり亀に憧れるウサギタイプだとつくづく思う。


グラフィックデザイナー 沼尻真一







25のヨーロッパ一周


25歳の時にヨーロッパ一周の旅をした。
その仲間と会うことができた。

皆それぞれに会社の肩書きが重くなっていたけど
パリやミラノ、ミュンヘンで一緒に馬鹿をした
仲間は何一つ変わっていなかった。



15年ぶりにあってもすぐにあの頃に戻れる
旅した仲間は本当にいいなと思う。


デザイナー 沼尻真一




MAP



僕は40年ぐらい前の古い車に乗っている。
とてもクラシックカーなんて呼べる代物ではないが、
1970年代のヨーロッパのデザインをそのまま
反映した流線型の形が良いと思っている。

そのなかでも特に気に入っている部分は
ダッシュボードについている「MAP」と書かれたスイッチ。
つまり夜間車内でロードマップを確認するための灯りスイッチ。

最近東京ではレストランの格付けをするミシュランガイドが
ニュースになっているけど、このガイドは1900年から
ヨーロッパで自動車旅行者用のガイドブックとして出版されていたもので、
当時はきっとそんな地図を片手に、
大陸を目的地まで車を走らせていたんじゃないかと思う。

何時からか車を止め、地図を読むという事がなくなってしまったが、
この車に乗るとどんなにわずかな移動でも
それは旅になる。




グラフィックデザイナー 沼尻真一





進化しない時代

ラグビー大学選手権、箱根駅伝と
新年は学生の活躍を見ることができる。
そんなふうに始まる新しい年は、世界恐慌なんて
関係ないほどエネルギーに満ちていて良いと思う。

そんな学生の姿をみながら、自分の学生時代を思い返す人も多いと思う。
自分は大学時代にバスケットボール部に所属していて夢中になっていた。
関東学生リーグで勝ったこと、
負けてみんなで涙した事など思い出す。
そして大学4年で引退して、バブル最後の年に就職。

そんな時に同期で入社した友人から届いた、今年の年賀状には、
「内定取り消しが懐かしい」って書いてあった。

インターネットも発達し、時代は後戻りせずに
かなり進化したように感じたが、それは虚構であり、
その原因が不動産からファンドに変わっただけで
時代は繰り返されるって事をあらためて痛感した。
また「環境」を基軸に新しい投機対象が出てくるだろう。

仕事が博打ではなく顔の見えない経済に振り回されない、
そうではない何かを求め
表面的でなく企業活動をしている人、
作家活動している人と出会ってきたなかで、
感じた事を、今年は少しずつ自分の中で編集し
伝えていきたいと思う。




グラフィックデザイナー 沼尻真一









やおよろずの初詣






年末に友人や先輩に会えば初詣をどこに行くのかという話題になる。
しかし今まで自分が行っている神社と同じという人に出会った事がないぐらい
近くに住んでいても、皆それぞれに初詣に行く神社が違うというのは
日本には八百万の神がいるという現れなんだろうと思い、
つい千と千尋を思い出す。

今年も元旦に初詣にいった。




年を経るごとに欲張りな願い事が多くなるせいか、賽銭箱では物足りなくなり、
ついには大広間で玉串奉奠をし、ご祈祷を受けるのが毎年の恒例となった。
今年の大広間は参拝する子供の数が多く
神主の声以上に子供の声が元気だったが、日本人なら
小さい頃からこんな経験も良いもんだろうと思って奇声を聞き流した。

そんな混雑する参拝者にお茶を入れたり、お守りを販売したりで
巫女さんは大忙しなんだけど、朱と白と黒髪結いの清楚な姿に
日本女性の美しさを再認識するところがあるのも元旦の楽しみ。

この厳かな雰囲気から一転して、境内から参道の周りには的屋が軒を連ねていて、
今年も射的、焼きそば、イカ焼き、綿アメ、甘酒を買った。
友人が昔的屋でたこ焼き屋をしていて、僕が高校生の頃ほんの少し
手伝った事があるので、売り買いの呼吸というか勢いというか
粋でいなせな的屋との会話を楽しんだりするのも
こんな祭りの楽しみだと思う。





こんな場所に行くと僕は出来るだけ的屋周りをするので、
自宅に帰ってくるとどっと疲れて、せっかく元旦にもらってきた
お札やお守りも、飾るのは後日ということになり
せっかくのご利益も袋の中でしばしお預けという事になってしまう。





沼尻真一