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有為転変/霧とひまわり−沼尻真一

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世の中すべてのものが絶えず変化している。心も肉体も。
沼尻真一













温かいみかん・愛媛県八幡浜から/沼尻真一

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愛媛県八幡浜市の先輩から、みかんが届いた。

みかんのふるさと八幡浜には、
「3つの太陽」があると先輩が教えてくれた。

一つ目は空に輝く太陽、
二つめはみかん畑につまれた石垣からの照り返しの太陽、
そして3つ目は、瀬戸内の海から照り返す太陽。

一生懸命草取りをしながら育てた
先輩のみかんはとても温かい。
沼尻真一













線路の上の景色/沼尻真一

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旅人と出会ったので、旅について書きたいと思う。
やっぱり僕は最初の旅が忘れられない。
その旅をしたのは中学生の時。
仲のいい3人で筑波山を裏筑波から、頂上まで自転車で登るという
今思えば、たわいもない旅だった。
ただその頃の僕らにとって身近な移動手段は自転車だったし。
さすがに頂上付近は自転車がこげずに担いで登ることになった。
なかばうんざりした僕の自転車を、友人2人が交代で持ってくれたり
悪戦苦闘しながらも何とか頂上にたどり着き、周りの登山者に
珍しがられながらも、僕ら三人は達成感と優越感にしたった。

他の二人には未だに言っていないが、この旅の中での
僕の一番の思い出は実は駅だ。
今はもう無くなってしまったが、当時筑波山の周囲を
筑波線という小さな電車が走っていた。

旅の途中、早朝5時に僕らは偶然そのひとつの駅に通りかかった。
誰からとも無く自転車を止め、その無人の駅を探検した。
駅に置いてあるものをいたずらして、駅員のまねをしたりした。
木造でできたその古い駅はまるで「ぽっぽや」の舞台のようだった。
そして僕たちは線路に降りた。

晩秋の澄んだ空気の中、日陰のホームからすうっと伸びて彼方で
ゆるやかにカーブしていくレールが朝露に濡れて、日の出の光があたって
輝いていた。
そしてレールは澄んでいて冷たかった。

線路の上の景色がどうしてこれほど印象深いのか未だに良く分からない。
駅を目指した旅はこれまで一度もない。
だけど、その後の僕の旅でいつも印象に残っているのが
偶然出会った小さな駅なのは確かだ。
いつか映画を撮る機会に恵まれた時には、小さな駅を撮ってみたいと思う。
沼尻真一











葉山の海−沼尻真一

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友人の紹介で青山で食事をしてオーナーと出会った。
オーナーは葉山育ちで、その後京都で10年間料理の修行を積まれた。
葉山を離れて、外に出る人は少ないそうだが
外に出るからこそ、あらためて葉山の良さを感じたという。

葉山は田舎だけど東京に無い自然の豊かさ、時間の流れに
誇りを持っているという。
それは何も葉山にだけあるものではなく、千葉や茨城
つまり東京の周りには東京に無い豊かな文化や自然がたくさんある。
みんなが同じように考えられたら何かおもしろいんじゃないかな。
東京のようになろうとするんじゃなくて。

たしかに、東京じゃない田舎というだけで何となく
臆病な気になってしまう。
まして、外から見る機会が無ければ、ふるさとの
良さを実感する事が少なくなるかもしれない。
つくばエクスプレスが開通する前に、日経新聞の記者とあったときに
「陸の孤島」つくばが無くなる日。
「さらば、つくば」と言っていた意味を
開発が進む街をみて今更ながら思い起こされる。

東京には東京の役割があり、その周りにはその周りの役割があると思う。
立派にそびえる東京にも実は「東京のふるさと」が必要なのかもしれない。

葉山に学べる点はハードな施設の必要性ではなく、その葉山らしさを
かすかに皆が分かっているという事だと思う。
沼尻真一



















秋冬野菜・オレンジの柿・紅白のカブーつくばハーブ園/沼尻真一

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オレンジの冬柿








グリーンの水菜










紅白のカブ







カフェの穴/沼尻真一

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人と人が出会うという事、やっぱりそれは必然なんだと思う。
意外な場所で会ったときは、偶然ってあるもんなんだと感じたり、
あまりに奇跡的な出会いから、これは必然だと思い込んだりするが、
結局全て必然なのではないかと、この頃感じている。
時間軸が空いてしまっていて点と点に離れてしまっているばかりに
自分で気づかないだけなんじゃないかと思う。

今年も、なんの伝も無く会ってもらった方がいる。
いきなり連絡したのにわざわざ時間を作っていただいた。

今でこそ全国各地には、オーナーの思いのある等身大カフェが
増えてきたが、その方は20年も前からカフェを一人ではじめていた。

20年前といえば、日本はバブルの絶頂期であり価値は常に
カネであった時代に、それとは真逆な素朴で心が温まるような
カフェをはじめられていた方だ。



お店を訪れるたびに、やっと時代が追いついてきたという印象を受ける。
そして自分の暮らしを大切にするお客さんが集まってくる。
この磨きこまれたドアの穴さえも、誰もが愛おしいと感じているだろう。
沼尻真一






畏敬−沼尻真一

JUGEMテーマ:日記・一般


今日は打合せの席で、街の話題になった。
その方が最近訪れた青森県五所川原市は、人口も少なくてとても小さな町なのだが、
小学生からお年寄りまで、会う人みんなから温かみを感じ
活気を感じたという。

僕たちが、打合せをしていた街には失礼だが、
「この街は駅を降りても温かみも感じないし、はじめてきた人は
市役所にもぜったいに行けない。」
「全然、人を迎えいれようなんて気がないよ。街を投げ捨ててる感じだよ。」

はじめて街に来た人の視点から見れば、
確かにまだまだやれそうな事がありそうだ。

打合せが終わり帰る途中、少し考えてみた。

街を盛り上げるというスローガンのもと、町おこし
村おこしという名目で祭りや、イベントが行われたりする。
そこには引っ越してきた人、ずっと住んでる人など様々な人が
交流しやすいというメリットがあるのだろう。
でも少し視点を変えて、何もやらない、むしろ静かにしている
という町おこし、村おこしもあるのではないかという気がする。

これだけメディアが取り巻く環境で暮らしている中
起きてから寝るまでの間、体外的な感覚がずっと覚醒していると思う。

それは心が感じているのではなく、体内に入る前に
皮膚で感じ、皮膚で情報を処理するという感じだと思う。

鳥の声や木の葉が落ちた音を感じた欣幸。
圧倒的な巨木や巨石への畏敬。
つまり人の力が及ばない、自分が植物や昆虫、魚のように
なれる場所へ身を置く事が大切になってきていると思う。

そしてそれは特別な場所へ出かけなくても、
しゃがんでみれば案外身近な場所にあると思う。
沼尻真一






クリエイティブのスイッチ/沼尻真一

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イラストを描くときも、デザインをするときも
一番大切なことは、感じる事だと思う。

制作するときには最初からパソコンを使わずに
ラフを手で描いてみるのも筆圧や手を動かすスピードによって
線が変わる感覚を直接感じる事ができるから。

イラストを描きはじめた頃、僕はアートディレクターや
デザイナーにむりやりアポをとって、
よく絵を見てもらっていたことがある。

その頃はとにかく仕事が無くて自分じゃ絵なんかよりも、
仕事がほしいのが先決だから、絵にまったくアイデンティティ、
つまり自分の内側と向き合う事なく、ただたくさん
受けそうな絵を描いていただけだったので、
放浪していて、今思うとほんとに残念。

それから今は亡き一人の師との出会いで変わることができた。
時間はかかったけど、それまでの表現と決別することができた。

見ているけど、見ていない。
自分の心の中に見えるものを表現する。

使わなければどんどん錆びるけど、そんな自分の中のスイッチが
どこにあるのか分かるようになったんじゃないかと思う。
沼尻真一