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光悦会にて・京都鷹峯 光悦寺/沼尻真一


今年も師匠のおかげで

第102回の光悦会・京都に

伺う事ができました。


*東京席

・呂宋茶壷 遠州蔵帳

耳が口覆の布で完全に隠されていました。

鉄釉が蹴上にかかっている点からも、

すでに釉薬がコントロールされています。



*大阪席

・栄仁井戸 名物 徳川家康伝来

高台周りの梅花皮が上品な井戸でした。

激しい梅花皮ばかりが、話題になり

茶人のステレオタイプを鵜呑みにし、

デフォルメして現代陶芸と主張しても

危ういのは、このような井戸もあるからです。


・南蛮縄簾 水指

大きさ、色が素晴らしい南蛮水指でした。

ほしいです。



*京都席

・布団釜 利休所持 与次郎作

蓋のイジイジした文様が初期作らしいです。

とにかく大きい。女性の炭手前はきついでしょう。


・土田丸壷茶入  大名物 雲州蔵帳

薄い軽い。

奥伝の稽古で良くこの名前を使ってました。

大名物に触れる事ができて感動です。


・石州井戸 別名:水落井戸

北野大茶の湯にて秀吉により命名された

と言われる井戸。

素焼き無し、生がけ、本焼きによる

しっとりとした肌あいです。軽い。



*金沢席

・道入黒 獅子 ノンコウ七種

軽い薄い、深さ大きさ全てが完璧な

楽茶碗でした。漆黒の宇宙です。


・堆黄龍文盆 萬暦年製在銘

世界に20点しか存在しない国宝級の盆。

ズシッと重く、しかし漆特有の柔らかさが

ありました。精緻な彫刻に圧倒されます。


金沢席は、卵食品で有名なイセ食品さんの

コレクションです。私もいつも多治見の

バローで森の卵を買い自炊してます。


大正時代に三井財閥の益田鈍翁さんが

日本の美術品の海外流出を防いだように、

実際に道具として、茶の湯に生かされてる

イセ食品さんに改めて感謝です。


いま、日本は景気が良いと一方的に

言われていますが、

経営者が日本人として

日本民族の文化に精通していなければ

工芸の真価を見出す事はできません。


単に金持ち企業だけではできません。

大変気概ある貴重な企業です。



茶室の大変重要な要素として

小間、広間があります。


実際に躙口を潜ると

そこに室礼が現れます。


君台観左右帳記の時代から踏襲される

系譜、流儀の系譜からどのような

抜けを作れるのか。

小間、広間に相応しい室礼。


例えば、ノンコウ七種 黒楽が

今回は薄茶席で用いられています。

本来なら最高に格の高い濃茶席で

用いられる茶碗です。


しかし、薄茶席が相応しい。


伊羅保なら薄、釘伊羅保なら濃のような感覚。

だから薄茶席作りは難しいと

偶然同席した先生が教えてくれました。


稽古の習いの、その先にある

じゃ自分ならどうするかという意識。


それが美術館展示で見るのと、

このように茶席で取り合わせで

見ることの違いです。


薄濃、小間広間、茶事も分からずに

茶碗だけを考えて作っていた頃の自分が

いかようにも考えさせられます。


茶なんか知らなくても、

回る土に指を突っ込みゃ

誰にでも茶碗はできます。


しかし、こんな恵まれた時代に

作家が桃山時代の陶工と同じ立ち位置で

作り自称、茶碗というのは?です。


日本の伝統工芸・陶芸の教育機関では

茶の湯文化は必ず学問として通る場所です。

私も多治見工業で学びました。


利休形やその他茶の湯から派生した形が

今の日本の家、庭、道具、工芸の

ありとあらゆる

美意識の基になっているからです。


しかし表層的な形や現象をサラッと

掬って伝えるだけでなく、

実践で感じないとやはり難しいと感じます。



超一流の道具組、

素晴らしい光悦寺の庭づくり、

その場で作られる菓子匠、

瓢亭さんの点心、


102年という日本最高峰の茶会の

伝統を守り続けている、美術商、

光悦会の方々に感謝いたします。


このような国宝級の作品に

触れる為にも稽古は大切です。

沼尻真一









































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