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京都・夏越の祓えと和菓子水無月 /沼尻真一


 


風そよぐならの小川の夕暮は
    

みそぎぞ夏のしるしなりける

 

     従二位家隆 九八
 

 

 

藤原定家と並び称された藤原家隆73歳の和歌です。


 
ならの小川こそ、上賀茂神社境内を流れる御手洗川です。
 
「ならの小川」と聞いて、奈良の川と勘違いしそうですが
このならは、楢の葉をそよがせている様子を表して
います。
 
旧暦で行われた夏越の祓えは、すでに秋の気配が
感じられていたようです。

 


 

 
 
6月末日に行われる
 
半年に一度の厄落としの「夏越の祓え」
 
12月末日に行われる「年越しの祓え」
 
対の祓えですが、特に梅雨の時期に
古に疫病が流行した事もあり
特に「夏越の祓え」は広く
京都を中心に行われています。

 


 
厄落としには

 

 


 
・カヤで編まれた「茅の輪くぐり」をします。
 
「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命延ぶといふなり」と
 
唱えながら8の字を描くように三度くぐりぬけます。

 

 


 
・「人形を流して厄落とし」
 
人の形をした形代かたしろに、罪や穢れを移し、
身代わりとして神社に納め、水や火の神事で清め
厄を落とします。
 
 
ちなみに茅の輪くぐりは、
 
日本神話が基になっており
 
二人の兄弟の所に
一人の旅人が宿を求めた際、
 
・裕福な兄は冷たく断り
 
・貧しい弟の蘇民将来は温かくもてなしたそうです。
 
実はこの旅人はスサノオノミコトであり
数年後その恩返しにと、蘇民の家を訪れ
その教えに従って、茅の輪を腰に付けたところ
疫病から逃れられ、子々孫々まで繁栄したと
いうことです。
 
この故事に基づき、京都の家々の玄関には
「蘇民将来札」という厄除けの札を
良く見受けられます。

 


 
祇園祭の各山や鉾で配られる粽札が
よく知られています。
 
京都の家々の玄関に飾ってある、
あの粽はよく腐らないな〜なんて疑問を
持っている人もいますね。
 
そしてもう一つ忘れてならないのが、
 
和菓子「水無月」を食べる事です!

 


 

 

お茶をしている人は、お稽古などで水無月を
すでに食した人も多いと思います。
 
京都市内では和菓子組合の宣伝カーが出動し
 
「皆さん、京は夏越の祓え 水無月を食べる日です!」と
 
宣伝していました。
 
それこそ、あちこちにある和菓子屋さんの軒先には
様々な水無月が並びました。
 
この和菓子水無月なんですが、
 
三角形の葛やウイロウの上に、
小豆が散りばめられた和菓子です。
 
 
旧暦6月1日は「氷の朔日」とも「氷の節句」
というものが宮中では行われておりました。
 
冬にできた氷を山間部の氷室で保存し
真夏に氷を口にし
夏の健康を祈願したというものです。

 

御所の北を囲むように6箇所あったそうです。
 
1、仁和寺裏手の御室氷室
2、金閣寺西、衣笠氷室
3、西賀茂氷室神社、本氷室
4、北区氷室神社、西氷室
5、左京区花園橋、高野氷室
 
 
しかし氷は庶民にとっては高嶺の花。
 
そこで氷をかたどった、三角形の生地に
厄除けの小豆を散らした御菓子
水無月が作られたそうです。

 

これも皇室行事への、庶民のあやかり文化ですね。
 
鬼も赤、赤ちゃんも赤、還暦も赤、神社も赤
小豆も赤で、赤いものは古来より邪気を
祓う色とみなされていました。
 
京都の恩師に言わせると
 
今の水無月の菓子は、小豆がビッシリで
 
「アレはあかんから!」
 
節分のように
 
「ぱらっぱらっと撒いてなんぼ」だそうです。
 
確かにビッシリ小豆の方が、美味しそうですが。
 
頑なに「ぱらっぱらっ小豆」の水無月の
和菓子屋さんを見つけるのも

意味があります。

 

 

沼尻真一

 

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