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旅立った明治の男


100歳の誕生日を目前に旅立ったおじいさんの姿を見て
この体はやはりこの世俗で生きるための借り物である事を
実感した。

戦時中、阿見の予科練に野菜を納める仕事をしていた関係から
特攻隊の話をしてくれた。
予科練が激しく空爆された時、自分の真後ろの格納庫に
避難していた多くの予科練生が爆弾により犠牲になってしまった事や
予科練生が出撃する前の両親との最後の別れなどいつも熱心に話してくれた。

そしていつも最後は「戦争は絶対にやっちゃいけねぇ」が口癖だった。
それは軍人としてではなく、民間人として戦争に関わった者だからこそ
実感できた事なのかもしれない。





毎年お盆にその話を聞くたびに、今の平和があたりまえじゃない事に
気づかされ、自分の生ぬるさにやばさを感じた。

あのみんみんゼミが鳴く暑い夏に、ステテコとランニング姿で
戦争を教えてくれた明治の男が今日旅立った。

2008.12.21
沼尻真一