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茨城県で誕生した花豆「常陸大黒豆」フォトいばらき − 沼尻真一





茨城県の農業産出額は、北海道、千葉についで日本第3位だが

その茨城産の農産物がまだまだ知られていない。


そんな中、今回茨城県の農産物の魅力をもっと伝えていこうという企画から、

茨城県が主催している「フォトいばらき」の産地取材に

同行させてもらう事ができた。


ちなみに「フォトいばらき」という雑誌は、年4回発行され

茨城県内の本屋さんや、図書館、公共の施設に無料で

配布されている季刊誌。但し、人気が高くすぐになくなってしまうとの事。

次回は今月9月30日発行。


今回は、茨城県が誕生させた花豆「常陸大黒」を

産地〜加工の現場〜商品開発の裏側まで

フジテレビ「おはよう茨城」に出演している林家まる子さんと

県の職員の方たちと一緒に訪ねた。



●「常陸大黒豆」のふるさとを訪ねる/小田部さん宅 常陸太田市



場所は常陸太田市。


以前「常陸秋そばのふるさとを訪ねて」というブログでも紹介したように

常陸太田市には伊村君という友達がいるので、つくばから1.5時間もあれば

ラクにつくだろうと甘くみていたのだが、常陸太田が近くなりナビに

現地住所をいれてみて愕然とした。


自分が思っていた常陸太田市ではなく、合併した旧里美村だったので

想定した距離よりもさらに50km先と表示され、大慌てで車を飛ばし

何とか現地に間に合った。



「常陸大黒」を栽培されている小田部さんと一緒に畑に向かう。


いつも常陸太田市に来て思うように、

今回も綺麗な小川と山に囲まれた美しい景色だった。






一反ぶりもない、元田んぼで「常陸大黒」は栽培されていた。


茨城県では平成9年〜平成14年まで品種改良に取り組み

小田部さんのところではもう6年ぐらい栽培しているという。


収量はこの畑で約180kgぐらいだという。




生産者の小田部さんと、林家まる子さん


他にも常陸太田や、大子、北茨城、神栖などの農家でも栽培をされているとの事。


冷涼な気候を好む「常陸大黒」は米の減反政策のなか、

県北の休耕田でも代替栽培できるものをと、

県が考えて品種を開発したのだろうと思う。





7月初旬に種をポットに植え付け、10月中旬に収穫するという。


おもしろかったのは、「常陸大黒」は蜜蜂によって受粉されずに

だんご蜂(クマバチ)によって受粉されるそうだ。


なぜミツバチが、「常陸大黒」の花に来ないのかは謎だ。




紙のポットだから、そのまま植えつけられる。


自分でも今度はこの紙のポットを使ってみようと思う。





「常陸大黒」の莢は収穫期には、約20cmぐらいになるという。

そのなかに、3〜5粒の豆が収穫できるそうだ。



畑を見せてもらった後、小田部さんの自宅で「常陸大黒」の煮豆を

いただいた。


3cm近くもある大粒ながら、黒豆特有の深みのある味がして本当に美味しかった。







他に小田部さん宅の自家野菜の煮物や漬物をいただき、懐かしい味に感激。


さらに「常陸大黒」を使った、ぜいたくな赤飯をいただき、

産地でなければ食べられない醍醐味を感じた。


お茶碗からはみ出す「常陸大黒」インパクト。




次に小田部さんの「常陸大黒」の加工場を案内してもらった。


写真の「常陸大黒」煮豆1パックは500円で、直売所で販売されている。







●「常陸大黒豆」を活かした菓子づくりの現場を訪ねる/北茨城市 風月堂さん


北茨城といえば、東京美術学校(現・東京藝術大学)をつくった岡倉天心も

食べたという、明治25年創業・今年で117年目を迎える風月堂さんを訪ねた。


風月堂さんを初め地元のお菓子屋さん有志で「地産地消菓子研究会」をつくり

「常陸大黒」や「さつまいも」を使ったお菓子作りに取り組んでいるとの事。




ご主人からは、つくり初めて3年になり「常陸大黒」のエクレアやパイ、

大福など商品ラインナップが充実し、

やっと地元の方達にも認知されるようになってきたと言っていた。




地産地消と言葉で言うのは簡単だが、こうして商品を地元産に

切り替える努力している風月堂さんや研究会のみなさんのお菓子は、

デパートで買う菓子とは違う温かみが、菓子からも伝わってきた。


想いがあるのに、それが全然鼻につかない。


こんな想いのあるお菓子屋さんで、ほのぼの子供でもつれて

買い物をする事が今の時代の「本当の贅沢」というものだろう。


この風月堂さんと同じように以前感じたことがあるのが、

東京尾山台の商店街にあるオーボンヴュータン





●「常陸大黒豆」開発の舞台裏を訪ねる。茨城県農業総合センター・園芸研究所/笠間市


最後に訪れたのはこの研究所では、池羽先生にお話を伺った。


池羽先生は水につけて2日、そこから8時間煮るという「常陸大黒」

の調理法を


もっと美味しく簡単に煮込む方法を紹介してくれた。




あらかじめ水に付けて置いた「常陸大黒」を袋に入れ、そこに砂糖水

または砂糖水+重曹を入れ、下記のように真空パックにする。





最後にそのパックのまま下記の圧力鍋で30分煮込むだけで

煮崩れのない、内部まで甘みの浸透したおいしい煮豆ができるという事だ。




そして業務用の圧力鍋の迫力にも圧倒された。



●さいごに


一日、つくばから常陸太田、そして北茨城そして笠間へと

茨城県を縦断する事となった。


常磐道でつくばに帰ってくる途中考えたことは、

本当に茨城県が植物や農産物ではその南限・北限であり

海は暖流と寒流のぶつかりあう、かっこうの漁場であるということだ。


この恵まれた茨城県の農産物や海産物が県や一般の人たちの

協力によって「商品」という形になり、世に出ていることを見れた事は

本当に貴重な体験だった。


農業が危機的な状況を迎えている今

生産する人や、加工販売する人が同じテーブルで話し合う事で

これから何かあたらしい価値感や、道が拓けてくると思った。


沼尻真一




沼尻真一INDEX


 ・沼尻真一の茶道や茶の湯に関する記事

https://profile.ameba.jp/ameba/chazenichimi


★日本一「茨城の干し芋」を訪ねた沼尻真一の記事


◆つくばハーブ農園/沼尻真一

 



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