いばらきシェフズダイレクト試食交流会開催
赤坂タキトースタジオで首都圏で活躍するシェフ・
料理関係者そして生産者など総勢約70名で交流会を
開催することができた。
思い起こせば約1年半前の起案から
やっと実現することができました。
「いばらきシェフズダイレクトツアー」と長い名前をつけて
私たちはスタートしました!
わざわざ東京のシェフのみなさんにTXに乗ってもらい
つくば駅で朝早くから待ち合わせ。
そこから「茨城県号」バスに乗車して
一気に茨城県内の各産地・各農家をたずねて
ぐるぐる ぐるぐる 2周して
やっと生産者の農家の方々、シェフの方々と
一同に会すことがここ東京赤坂で開催することができました。
久しぶりにお会いする方もいて同窓会のような雰囲気も
ある中スタートしました。
茨城県の上月副知事はじめ、茨城県庁の
全面的なバックアップと、僕の仲間である八巻さん、廣太さん、瀧藤さん
佐藤さん、そして愛媛の鳥津さんの力を借りて、ふるさと茨城県・
そして祖父や父も携わってきた農業に恩返しができました。
茨城県庁の皆さん、生産者のみなさん、スタッフのみんな、
そして忙しい中、興味を持って参加いただいたシェフのみなさんに
この場を借りて深く感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
今回ツアーに参加させて頂き、シェフのみなさんと畑に行ったり
生産者の奥様が作った手料理をいただくことができました。
日ごろは東京を中心に華やかな世界の中に
身を置かれているシェフの皆さんが、
農家の座敷で、手料理を味わっている姿を見て
久しぶりに田舎に帰ってお袋の味を食べているように
見えて、とても感慨深いものがありました。
誰でもそうであるように、料理や弁当という食事には
何かしらの思い出があるはずで、
シェフになろうと決められたのにも、きっと
それなりの食にまつわるエピソードがあるのだろうと思います。
世の中の価値観は、どんどん変わっています。
例えばリーマンショックなど節目がありますが、
自分でもそれは恐ろしい速さで変わっていると
思います。だからPRにしても、多額の費用と予算を
出して、広告代理店に依頼すれば何とかなるだろうという
考えはまったく間違っています。
日本中の多くの国民、県民はもはや、
やらせを直ぐに見抜くことができますし、
真ではない物語など一過性に過ぎませんし、
県税の無駄使いです。
自分でやっていて何ですが、今回のような
ボランティアのイベントでさえも
繰り返さなければいけなかったとすれば
とてもたいそうになりますが、
それは、あまりにも商品、作物がお粗末だと
言うしかないのです。
きっかけがあれば、良い商品は必ず
一人歩きするものです。
PRが目的ではなく、手段でしかないのです。
茨城県も私たちもあくまで黒子であり、
きっかけをつくる事しかできないのです。
黒子が主役となって舞台をつくるのは
まったくおかしいのです。
僕の友人でもある愛媛県の鳥津さん、梶田さんは
自腹ではるばる上京して、行政にさえ頼らずに
自分の商品を引っさげて、乗り込んで
今の成功があることも、生産者には分かって
欲しいと思います。
また今回のイベント手法で言えば、
ふるさとのために何かしたいという県民は
数多く全国にいるはずです。
今回のイベントはまったくの手作りです。
東京の県人会に何百何千と集まろうが、
その県人会のみなさんの人脈があれば
もっと多くの機会を、僕たちがやらなくても
すでに実施されていてしかるべきではないかと
疑問をもたざるを得ないのです。
だからどれだけ本気でふるさとを考えて
献身的にできるかという事は、
どういう事なのかそこに答えがあるはずで、
財政難と嘆くばかりでなく、地方行政も
そのことをよく考えて欲しいと思います。
発想を転換しなければ、地域おこし
まちおこしなんて掛け声だけで終わる
ものなのです。
茨城県だけでなく日本全国、地方は農業
農産物が主体となっています。
それは農業が元気にならなければ、
地方は元気にならないと言っても過言ではないと思います。
しかし、スーパーや築地に大量に出荷して
地方の農業が本当に活性化するのでしょうか?
もはや右肩下がりの日本経済の中で
大量生産大量消費の発想ではなく、
少量生産で十分にやっていく必要があるのです。
だから今回のようなイベントは日本全国の
地方行政全てに通用する手法という意味では
画期的な出来事だったのだと思います。
事実日本全国どこの産地にいっても、高齢化の問題に
必ずぶつかるのです。
今は若者も農業に関心を持って取り組む人も
多くなってきたと言われますが、それは
まったくの偶像で少数に過ぎないのです。
60を過ぎて年金をもらいながらしか
または、
国の助成金をもらいながしか、日本の農業を
やれないというのが、今この国の農業の
現実なのは本当に危惧を抱かずには
いられない状況です。
あと5年あと10年すれば、現在の農業の
技術やノウハウは完全に失われていくのだろうと思います。
それこそ各家庭が菜園を持って
野菜を自給することが、もっとあたりまえに
なってくるような気がしています。
日本の農業は「農道」なのです。
農道といっても、茶道と同じ「道」です。
日本人の伝統と言っても過言ではないと思います。
そのためにもこのように、生産者の思い、志を
理解し、産地に自ら出かけ、そして
その思いを料理を通して
お客様に表現しようとする
侍の志あるシェフとの出会いは必然なのだと思います。
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最後になりますが、私たちが食をとおして
伝えたかったことがあります。
それはかつて鎌倉で魯山人が行った美食倶楽部ではありませんが、
その時代とは違い、このように食料が飽和している
現代日本の中では、食の安全の上に
生産者の思いや志が伝わる
「日本の清々しさ」ではないかと思います。
この生産者の「清々しさ」というバトンが、志の高い
シェフの方々に渡る事で仲間となり、「仲間にしかできない」料理が
生まれるのだろうと確信しています。
そしてそのバトンが各家庭へと渡り、家庭の味
強いては家族の団欒にまでつながって行ったら
どんなにすばらしい事だろうと考えております
学級崩壊と言われますが、情緒を養う一番大切な
時期に、家庭の味を大切にすることは
その後の人生に多くの影響を与える事は
誰もが知っているとおりだと思います。
もし家庭の味、家族団欒の食事のひと時の
思い出なく、大人になればまた
その結果は、自分で包丁を握ることもせず
同じ寂しい思い出と低い知性と感性が
繰り返されるだけなのです。
目は口ほどにものを言うと言われますが、
自分の体内に取り込む口(舌)は
口(舌)は心ほどに大切だと僕は信じています。
このイベントを通して、地方行政、生産者、シェフの
皆さんの「間」を知ることができました。
この「間」をどうするか、このブログを読んでくれた
方々がまた何か感じて頂けたら幸いです。
沼尻真一
※写真:会沢淳
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■いばらきシェフズダイレクトツアー
■いばらきシェフズ試食交流会
参加・ご協力をいただきました皆様。
(順不同・敬称略)
・RESTAURANT GUSTO
・株式会社ベルタ 五丁目千
・銀座 六雁
・株式会社ゼロディグリーズジャパン
・二期倶楽部直営レストラン
・にき亭
・有限会社グランメール
・株式会社 美々卯京橋店
・神田 雲林
・ヌキテパ
・ビゾーニョ
・作
・三次郎
・精進料理 北鎌倉 鉢の木
・ピアット スズキ
・青山指月
・流石はなれ
・ふらんす割烹
・味館トライアングル
・株式会社トランジットジェネラルオフィス
・赤坂旬香亭
・赤坂炭火 炬屋
・山田チカラ
・赤坂璃宮
・京料理 竹生
・銀座いさみ
・五丁目千
・シンスケ
・株式会社シカタ
・セコム株式会社「セコムの食」
・株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ
・東京カレンダー
・一個人
・日本食糧新聞社
・茨城新聞社
・日経BP社(日経レストラン)
・株式会社銀の鈴社
・株式会社日本産直市場
・藤巻 幸夫氏
・木内酒造合資会社
・福徳常陸大黒の会
・河西しいたけ園
・農事組合法人奥久慈しゃも生産組合
・株式会社れんこん三兄弟
・大涸沼漁業協同組合
・株式会社小田喜商店
・拓実の会
・株式会社野口徳太郎商店
・株式会社メリーメーカー
・株式会社テーブルスタジオ
・恵比寿 日本料理 雄
・中川学園調理技術専門学校
・茨城県
・茨城県
・茨城県農産物販売推進東京本部
・茨城県農林水産部漁政課
・茨城県農林水産部園芸流通課
・うまいもんどころ推進室
・株式会社沼尻